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浦賀水道

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横浜マリーナ会員の斎藤智氏が執筆した大人のためのクルージングヨット教室を題材にしたマリン、セイリングクルーザー小説。

クルージング教室物語

第69回

 隆たちの乗っているヨットは、東京湾の中
に戻って来て、浦賀の辺りを走っていた。

 浦賀には、大きなマリーナがあって、そこ
のマリーナのヨットたちがブイを打って、レ
ースをしていた。

「じゃまにならないように、脇によけて走っ

てあげよう」

 ラッコとマリオネットは、ヨットレースの
じゃまにならないように、ヨットを避けなが
ら通り過ぎた。

「あの白いのが、一番を走っているのかな」
「あっちの青いのが、けっこう上手に風をつ
かんで走っているよ」

 普段、ヨットレースなどまったくやらない
ラッコのメンバーだったが、ヨットレースの


脇を通り過ぎるときは、レース艇の観戦しな
がら、レース評を勝手にしていた。

 浦賀の前の海面でレースをしているヨット
たちを通り越すと、観音崎の白い灯台が見え
てくる。

 浦賀の先にある観音崎を越えると、もうそ
こは、普段の日曜日にも、ラッコが毎週走っ
ている海面だ。
 ここまで戻って来ると、ああ、横浜に戻っ
て来たなって感じだった。

「あと、もう少し。頑張ろう」

 それから、しばらく走っていくと、

 懐かしい横浜・横浜マリーナの三角のクラ
ブハウスの屋根が見えてきた。

「ただいま!戻って来たね」

 ラッコとマリオネットは、一週間ぶりに横
浜マリーナまで戻って来た。


「お帰りなさい!」

 横浜マリーナのスタッフが、暖かい笑顔で
皆のことを出迎えてくれた。

 大きなクレーンが降りてきて、ラッコの船
体をすくい上げて、陸上に持ち上げた。
 久しぶりに陸上に持ち上げられたラッコの
船底には、ほんの少しだけ貝や藻が絡まって
いた。
 そして、そのままラッコは、自艇の艇庫内
に収まった。

 続いて、マリオネットの船体も、クレーン
持ち上げられて自分の艇庫の中に収まった。

 長いようで短かった、楽しかった夏のクル
ージングも終わった。

第70回につづく


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