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出航準備

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横浜マリーナ会員の斎藤智氏が執筆した大人のためのクルージングヨット教室を題材にしたマリン、セイリングクルーザー小説。

クルージング教室物語

第81回

 横浜マリーナ内のショッピングスクエアの
スーパーは、夜10時までやっている。

「おはよう!」

 着替え終わって、更衣室から出てきた洋子
を見つけて、隆が声をかけた。

「おはようじゃないでしょう。こんばんはで
しょう」

 夜なのに、おはようって挨拶した隆を、笑
いながら麻美は訂正した。

「買い出しに行こうか」

 隆は、麻美たちに行った。

 隆の後ろから、買い物用の袋を持って、佳
代もやって来た。


「行くよ。買い物」

 隆は、洋子に言った。

「はい。ちょっと待ってよ。荷物をヨットに
置いてくるから」

 洋子は、急いでラッコに走って行くと、自
分の大きな荷物を、船内に置いてから、皆の
ところに戻って来た。

「洋子。会社の帰りに、そのままマリーナに

来たんだろう?」
「そうよ」
「洋子って、いつも会社もジーンズで働いて
いるんだ」
「え、違うよ。さっき、ここに来てから、着
替えたのよ」

 洋子と隆は、スーパーに向かう道中、話し
ていた。

「そんなことないよね。可愛いスカートで通
っていたものね。洋子ちゃん、すごくきれい


な足なのよね」

 隆と洋子の二人の会話に、麻美が割って入
ってきた。麻美は、さっきルリ子と一緒に洋
子がスカートをはいている姿を見ていた。

「え、足の話はいいの、いいの」

 麻美に言われて、洋子は、また恥ずかしそ
うに、自分の足をジーンズの上から撫でなが
ら答えた。

「へえ、俺も洋子のスカートはいている姿を
見たかったな」

 隆は、洋子に言った。

「今回のクルージングは、何を食べる?なん
か食べたいものあるかな」

 スーパーに入ると、隆は、ショッピングカ
ートを押しながら、皆に聞いた。

「てんぷら、食べたいかな」


 店頭で、てんぷらの実演販売している屋台
を見ながら、洋子が答えた。

「てんぷらか。いいね!そしたら、またルリ
子に魚を釣ってもらわなきゃ」

 隆は、ルリ子に言った。

「いいよ!釣るよ」

 ルリ子は、隆に言われて、笑顔で袖を腕ま
くりしてみせた。

 三人がバカ話をしている間に、麻美たちが
食材や調味料をどんどんと選んで、カートに
追加していった。

「隆。早くこっちに来て!カートに入れられ
ないでしょう」

 麻美に言われて、隆は、あわててショッピ
ングカートを押しながら、麻美の後について
いった。

第82回につづく


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