岡島さんの一家も、その頃は、まだ長男が一人だけ生まれたばかりだった。中学生だった隆は、お兄さんらしくよく岡島さんの長男の面倒をみていたものだった。
その岡島さんの一家にも、今では、隆がよく面倒をみていた長男の下に、さらに3人の妹、娘さんができていた。
「こんにちは」
隆は、空港のゲートから出てきた岡島さんの一家に声をかけた。
「こんにちは、お世話になります」
岡島さんの奥さんが、隆に気づき振り向いて、返事をした。
「隆くん、本当に大きくなったわね」
岡島さんの奥さんは、成長した隆の姿を眺めて言った。
「いえいえ、岡島さんとも午前中は、ずっと一緒に仕事してたんですよ」
隆は、岡島さんの奥さんに答えた。