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ページ5 | ヤマトが還る日

 ゆみと姉の祥恵、美和の3人は、京王井の頭線に乗った。平日の昼間の電車だというのに、空から大量に隕石が降ってくるという緊急事態に、学校も、会社も臨時休校で、学生に、会社員、OLなど電車内は大混雑していた。

 姉の祥恵は、身体の小さい妹のことを、車内で押しつぶされないように、しっかり抱きかかえてくれていた。美和は、明大前駅で乗り換えだ。美和と別れた後、さらに一駅乗って、次の東松原駅で下車した。

「ゆみ、大丈夫」

 祥恵は、妹の手をしっかり握ると、駅前の通りを自宅のある方向へと歩いていく。周りの人たちも、駅前の通りを家路へと急いでいた。

「おうちに帰ったら、どうするの?」

 ゆみは、姉に手を引かれながら、質問した。

「まだわからない。まずは、お父さん、お母さんのいる家に帰ってから決める。」

 祥恵は、ゆみに答えた。

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