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新しいお友達

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日本の商社のニューヨーク支店に勤める隆が、妹のゆみとニューヨークで暮らす二人暮らしのハートフルホームコメディ。

 その日の午前中の授業をゆみはずっと上の
空だった。隣りの席にやって来た転校生のヨ
シュワキー君はノートも開かずにいた。

「授業が始まるよ。ノートとかある?」

 ゆみは、転校生のヨシュワキー君に日本語
で一生懸命説明したのだったが、なぜかヨシ
ュワキー君はゆみの言葉にも反応せず黙って
席に腰掛けたままだった。
 ゆみは自分の日本語が通じなかったのかと
心配になっていた。

 確かにゆみの日本語は、ほかの日本人の日
本語に比べたら怪しいかもしれないが、ちゃ
んとお兄ちゃんとも日本語で話できているは
ずなのに、それとも、兄はゆみの日本語が上
手でないのを考慮してくれているから、ちゃ
んと通じていたのだろうか。
 ゆみは自分の日本語に自信がなくなって心
配で授業が上の空だったのだ。

 その日、ゆみは家で兄の帰りをずっと待っ
ていた。学校からの帰り道に夕食のお買物も
して夕食はとっくに出来上がっていた。


 いつもならば、この時間にはもう会社から
戻ってきて、ゆみと食事している時間のはず
だった。
 なのに今日はまだ帰ってきていない。

「どうしたんだろう」

 ゆみは愛犬のメロディの頭を撫でてあげな
がらダイニングテーブルに座って、兄の帰り
を待っていた。

「ただいま」

ようやく兄の隆が帰ってきた。

「おかえり、遅かったね。どうしたの?」
「総務の事務の仕事が溜まってしまっていて
ごめん、ごめん」

 隆は、部屋で背広を脱いで、着替えて手を
洗って戻ってきた。

「お腹すいたな。さあ、食事にしよう!」

 隆はメロディの頭を撫でながら言った。


「せっかく手を洗ってきたのにメロディ撫で
たら、それで食べるの?」

ゆみは笑いながら隆の食事を装った。

「今日、ゆみのクラスに転校生が来たの」

ゆみは今日学校であったことを食事のときに
隆に報告した。

「へ~ぇ」
「それがヨシュワキー君っていう日本人の子

なの」
「ゆみのクラスに?本当に日本人が転校して
きたのか?」
「うん。あたしのクラスに日本人が転校して
くるの初めてだよ」

ゆみは嬉しそうに隆に転校生の話をした。

「男の子なんだけど、席があたしのすぐ隣り
なの。これで初めて同じクラスに、ゆみの日
本人のお友達ができるかも。でも今日は、ぜ
んぜんお話できなかったの」


「どうして?」
「ゆみが日本語で話すんだけど、返事してく
れないの」
「それはきっとお前の日本語が下手だからな
んじゃないのか」

 ゆみは、兄にまでマイケルと同じようなこ
とを言われてしまっていた。やっぱりあたし
の話す日本語って下手なのかな。

「そんなに、あたしの日本語って下手なのか
な?」

「そんなことはないよ。今だって、俺とちゃ
んと日本語で話してるだろう」
「そうよね」
「そいつさ、本当に日本人なのか?」
「え?」
「ヨシュワキー君というんだろう?」
「うん」
「日本人の名前に、そういう名前は無
いからな」
「そうなの?」
「ほら、中国人とか韓国人っていうの
は日本人とよく似てるからな。アメリ


カ人からみたら、同じに見えるから」
「そうか。日本人じゃないのね!
「そう、それだったらおまえの日本語
通じなくても不思議じゃないだろう。
なにしろ向こうは中国語だったりする
んだから」
「そうか、そうよね。明日会ったら英
語で話しかけてみる」
「中国かどっかから来たばかりなんだ
ろう。英語わからないかもな」
「そうか、どうしたらいい?」
「中国語で話しかけてみたらどうだ」

「そうね。ってあたし中国語わからな
いよ」

 2人の話はそこで終わった。

「スクールライフ」につづく


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