Skip to content

クルージング最後の夜

1本を読もう

2本を読もう

3本を読もう

4本を読もう

5本を読もう

6本を読もう

7本を読もう

8本を読もう

9本を読もう

10本を読もう

11本を読もう

12本を読もう

13本を読もう

14本を読もう

15本を読もう

16本を読もう

17本を読もう

18本を読もう

19本を読もう

20本を読もう

21本を読もう

22本を読もう

23本を読もう

24本を読もう

25本を読もう

26本を読もう

27本を読もう

28本を読もう

29本を読もう

30本を読もう

横浜マリーナ会員の斎藤智氏が執筆した大人のためのクルージングヨット教室を題材にしたマリン、セイリングクルーザー小説。

クルージング教室物語

第66回

 その夜のラッコの船内は、賑やかだった。

 楽しかったクルージングだったが、明日は
横浜マリーナに帰るので、乗員はクルージン
グ最後の日を楽しんでいたのだった。

 マリオネットの乗員も、ラッコの船内にや
って来て、皆でお酒を飲んで楽しんでいた。

「本当は、もう少し日程があったら、大島の
中を観光したいんだけどね」

 隆は、洋子に話している。

「大島は、ほかの伊豆七島よりも大きいし、
三原山やリス村とか楽しめる観光スポットと
かも多いんだよ」
「行ってみたいな」

 フォアキャビンにあるトイレに行っていた
ルリ子が、戻って来て二人の話に加わった。


「また、来ればいいじゃない」

 麻美が、隆に言った。

「そうだよな。大島ならば三連休でも、ちょ
っと頑張れば、ヨットでも遊びに来れるもの
な」
「三連休でも来れるんだ!それじゃ、9月に
連休あるから、また来よう」

 洋子に言われて、隆もすっかり行く気にな
っていた。

「なんかクルージングって楽しい!」
「同感」

 4月から横浜マリーナのクルージング教室
で、ヨットに生まれてはじめて乗ったばかり
だったが、皆もうすっかりヨットの魅力にハ
マってしまっていた。

「ラッコの生徒さんは皆、ヨットへの定着率
がいいですね」

 マリオネットの中野さんが、隆に言った。


 普通は、クルージング教室で生徒を募って
も、はじめの2、3回乗りに来るだけで、後
は全く来なくなってしまう生徒が多い。
 特に夏は、比較的多く乗りに来ていても冬
になると寒くてすっかりヨットに来なくなり
そのままヨットのことを忘れてしまう生徒が
多かった。
 横浜マリーナのクルージングヨット教室で
も、春先に生徒を募集しても秋、冬には来な
くなってしまう生徒が大半だ。

「うちは、誰もクルージング教室始まってか

ら今まで毎週日曜欠かさずヨットに乗りに来
ているよな」

 隆が、ラッコのクルー皆に言うと、皆は即
座に頷いていた。

「それだけ、ほかに何もすることが無いとい
うことか」
「そうかもしれない・・」

 ルリ子が隆に頷いた。


「みな年頃の女性だというのにね。デートす
る相手もなく・・」
「寂しい・・」

 麻美の言葉に、自虐で答えていたが、寂し
いという言葉とは裏腹に、誰も皆、ヨットに
乗っていられることの方が彼氏とのデートよ
りも楽しそうだった。

「麻美さんと隆さんは、ご結婚しないんです
か?」

 坂井さんの奥さんが、麻美に聞いた。

「え、結婚ですか?」

 麻美が思わず聞き返した。

「私も、気になっていた。麻美さんと隆さん
ってつきあっているのかなって」

 雪も、麻美に聞いた。

「そうね。結婚っていうか、そもそも、私た


ちってつきあっているのかな?隆どうなの」

 麻美は、隆に聞いた。隆は、恥ずかしそう
に、顔を真っ赤にしながら、あ、どうなんだ
ろうねと誤魔化していた。

「はっきりしないんだ」

 麻美は、坂井さんの奥さんに愚痴った。

「隆さん、はっきりしないと洋子が狙ってい
るよ」

 雪が、笑顔で隆のことを茶化した。

「わたし?」

 洋子は、突然、雪から自分に振られたので
驚いていた。

「さあ、飲もう!」

 その日の夜は、夜遅くまで、ラッコの船内
は灯かりがついていて、船内の皆は大声で飲
んだり食べたり大騒ぎしていた。


 大騒ぎしていても、漁港の入り江に停泊し
ているヨットの船内なので、特に周りに近所
迷惑になることもなく、苦情がくることも無
かった。

 これが、都会の真ん中だったら、

「うるさい!静かにしろ!」

 などと苦情の怒号が飛んできて、こんなに
夜遅くまで大騒ぎなどすることが出来なかっ
たことであろう。

 12時を過ぎると、ラッコの女性クルーと
隆は眠くなってきて先に寝床を作り、眠って
しまった。
 そして、その後は、いつものように雪とマ
リオネットたち、それに麻美が付き合う形で
飲み明かすのであった。

第67回につづく


Comments

Comments are closed.

こちらのページもよくご覧になられています

 

Widgets

  • 読者の方

    読進社書店の書棚には、これまでに読進社が出版してきた数々の書籍を陳列しています。

    書棚の書籍はすべて実際に手に取ってご自由にお読みになって頂くことが出来ます。

    気に入った書籍が御座いましたら、お手持ちのカゴに入れてまとめてレジに持っていき、ご購入頂くことも出来ます。

    ご購入された書籍は、パソコンからでもスマホからでもどこからでもインターネット上に繋がればすぐにお読みになることが出来ます。

    通販市場 by Telemall 9Fにも出店中

  • 作家の方

    ご自身の作品を、パソコンからでもスマホからでもインターネット上に繋がればどこからでもすぐに発表して頂くことが出来ます。

    まずは、作家登録ページの簡単な入力フォームより読進社に作家登録をお願いします。

    作家登録が済みましたら、書籍出版フォームに作品原稿をお送り下さい。

    お送り頂きました作品原稿は、すぐに書籍化されて読進社書店の書棚上に陳列されます。

    作家登録、書籍出版についての詳細は、作家登録のページをご覧下さい。

Scroll to top