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船内

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横浜マリーナ会員の斎藤智氏が執筆した大人のためのクルージングヨット教室を題材にしたマリン、セイリングクルーザー小説。

クルージング教室物語

第13回

 隆のヨットの船内を初公開だった。

 マリーナの船台の上に乗った隆のヨット、
ナウティキャットの周りを一周して一通り、
外観は確認したので、いよいよ船内、船の中
を見てみることになった。

 船体の最後部、例の水着で腰かけて足を海

面に入れてバタバタさせたら気持ちの良さそ
うなバルコニーが、船体の中で一段低くなっ
ている。
 そこに脚立を立てて、まずはバルコニーの
上に上がる。

 バルコニーからは、デッキに上がれるよう
にステップが付いているので、そこから船の
デッキ上に上がり込んだ。

 普通のヨット、多くのクルーザーは、船内
に入る入り口は船体後部にあるデッキに付い


ていた。しかし、隆のヨット、ナウティキャ
ットは、船体中央部に天井が高くなった場所
があり、そこに船内用の操船スペースがある
のだが、そこの脇、サイド右側にドアが付い
ていて、そこから船内に入れるようになって
いる。

 多くのセイリングクルーザー、ヨットの入
り口は、デッキ上に開いた穴のような入り口
なのに対して、ナウティキャットには、ちゃ
んとしたドアが付いているのだ。
 これが隆がナウティキャットを自分のヨッ

トに選んだ最大の理由の一つだった。

 ドアを開けて中に入ると、入り口入ってす
ぐのところにステアリングラット、ハンドル
が付いていて、雨の日には船内でも操船でき
るようになっている。

 その左側は、コの字型の大きなサロンにな
っていて、テーブルとソファで皆が海を眺め
ながらくつろげるようになっていた。

 ハンドルの左側に船の前方に行くための一


段下がった入り口があった。

 麻美は、一段降りてみると、そこの右舷に
はガスコンロ、電子レンジ完備のキッチンが
あった。ヨットでは、キッチンのことをギャ
レーと呼んでいた。

 その反対側、左舷には、右舷の調理場で作
った料理を食べれるダイニングスペースがあ
った。

 さらに、

 その前方に行くと、扉が二つあり、左舷横
の扉を開けるとトイレになっていた。

 前方側の扉を開けると、そこは船の最前部
でV字型の二人の人が横になって並んで寝ら
れるベッドスペースがあった。
 左舷トイレの反対側、右舷には小さなクロ
ーゼットも付いていて着替えなどが収まるよ
うになっていた。

 もう一回、入り口のメインサロンのあった
部屋まで戻ってから、今度は船の後ろ側、後


部に行ってみる。

 メインサロンの脇を通って、後ろに行くと
三段ほど下に降りるステップがあり、そこに
あった扉を開くと、そこは船尾の幅いっぱい
を利用した広い書斎になっていた。

 書斎に入って右側は、二人が寝れる大きな
ダブルベッドになっている。
 枕元のところには、両脇にちゃんと小さな
ライトまで付いていた。
 最後部にはL字型のデスクがあった。デス

クには収納式のチェアが付いていて、チェア
を引き出して座れば、デスクで書き物や読書
などができた。

 入り口入って左舷には、そこにも小さなク
ローゼットが付いている。
 クローゼットの手前にはもう一つ扉があっ
た。その扉を開けると、そこには後部船室用
のトイレがあった。
 こちらのトイレは、床や壁が白木で出来て
いた。トイレの前にはヒーター装置のような
ものが付いていた。


「寒いときでも泊まれるように、ちゃんとヒ
ーターまで付いているのね」
「ヒーターじゃないよ。サウナだよ」

 隆は、麻美に聞かれて答えた。

 ナウティキャットはフィンランド製のヨッ
トだけあって、船内にはサウナまで完備して
いるのだった。

 サウナをみた麻美は、ジムに行かなくても
ここに来ればサウナに入れるね、と言ってヨ

ットをサウナ代わりに使おうとしていた。

第14回につづく


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