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横浜マリーナの沿革

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横浜マリーナ会員の斎藤智氏が執筆した大人のためのクルージングヨット教室を題材にしたマリン、セイリングクルーザー小説。

クルージング教室物語

第21回

 横浜マリーナは、都心からの利便性も良い
横浜の中心部にあった。

 現在の横浜マリーナは、都心からの利便性
も大変に良い横浜の中心部にあるが、設立当
初は横浜市金沢区の河川に係留していたヨッ
トのオーナーが集まって、その地でスタート
していた。

 その当時から金沢区の沖合、港内には、コ
ンクリートで固められた岩でできた直径10
から20メートルぐらいの小さな島というか
岩の塊のようなところがあった。
 昔は、漁船が停泊するための場所に使用さ
れていたのかどうかは定かではないが、現在
は、置き忘れられているかのように金沢区の
港内にひっそりと浮かんでいた。

 この島の周囲は、金網で囲まれていたが、
その金網は既に朽ち果てていて、今は金網の
残骸しか残っていなかった。


 この島の所有は、特に横浜マリーナの所有
というわけではなかったが、当時から横浜マ
リーナのヨットは、午前中のセイリングを終
えると、この島に一時停泊し、上陸すると、
そこでお昼ごはんを作って食事をしていた。
 穏やかな港内に浮かんでいることと島の周
囲を囲んでいる朽ち果てた金網の残骸部分が
ヨットを停泊するときのロープを結んでおく
のにちょうど良く、ヨットの一時停泊場所と
して最適だった。

「左舷付けで停泊するからよろしく!」

 ラッコの舵を握っていた隆が、船の前方で
ロープを握って、船の停泊に備えている麻美
に向かって叫んでいた。

「あの島に停泊してお昼ごはんにするから、
隆が船を島に横付けしたら、島に飛び移って
このロープで船を島に結ぶのよ」

 麻美が、横に立っている今日初めてヨット
に乗った生徒たちに、これからヨットを島に
着岸する方法を説明した。


 隆の操船でヨットは、島に着岸すると、麻
美は慣れた手つきでロープの片方を持ったま
ま、島に飛び移った。

 麻美の持っているロープの反対側は、ヨッ
トのデッキ上に付いているクリートに結ばれ
ている。
 クリートとは、銀色のステンレスで出来て
いて、船体のデッキ上に飛び出している突起
物のことだ。
 この突起物に、麻美の持っているロープの
端が結ばれていて、反対側のロープの端が島

にある金網に結ばれることで、ヨットは島に
しっかり着岸されていた。

 麻美のまねをして、洋子も島に飛び移ると
船が島に衝突しないように、ヨットを押さえ
ていた。
 ほかの生徒たちも、洋子のまねをしてヨッ
トと島がぶつからないように、島と船を押さ
えている。

 舵を握っていた隆が、舵を離して、船の後
部に結ばれたロープを持って島に上陸すると


そのロープを島の金網の残骸に結んだ。

「こういうときに、皆も先週習ったもやい結
びで結ぶんだよ」

 隆は、横でロープを結んでいるところを見
ていた雪に説明した。

「もやい結びのやり方は覚えている?先週、
私と一緒に結んだでしょう?」

 麻美がやって来て、ルリ子に聞いた。

 ルリ子は、麻美に言われて頷きながら、先
週習ったばかりのロープの結び方を一生懸命
頭の中で思い出していた。

第22回につづく


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