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ヨット完成

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横浜マリーナ会員の斎藤智氏が執筆した大人のためのクルージングヨット教室を題材にしたマリン、セイリングクルーザー小説。

クルージング教室物語

第11回

 ヨットの組み立てが終わった。

 隆のヨットは33フィートのフィンランド
製モーターセーラー、ナウティキャットだっ
た。
 外観は、実際にはFRPの船体なのだが、
木造風にあっちこっちに木材が使用されてい
て豪華だ。

 茶色い木材風のマストが船体の前後に2本
立っている。前のマストは背が高く後ろのマ
ストは前よりも少し低い。両方のマストそれ
ぞれにセイルを張ることができる。

 一般的なマストが1本しかないヨットのこ
とをスループというのに対し、隆のヨットの
ように、マストが2本あるヨットをケッチと
いう。隆が、麻美にその説明をしたら、ケッ
チなんてケチな隆にぴったしじゃないとか言
われてしまった。


 後ろ側のマストの脇に、ステアリングラッ
トという船を操船する装置、ハンドルが付い
ていた。その後ろに乗船者が座ってハンドル
を握って船を操船できる場所があった。

 船体最後部には、スイミングプラットフォ
ーム、マンションのベランダのような板が付
いていて、夏ならば走行中に、そこの上に水
着で座って足をバタバタさせたら気持ち良さ
そうな空間があった。

 船体中央部に窓が付いていて、船内から外

を眺められるようになっている。
 その船室の後ろは、屋根が高くなっていて
大きな窓が前後左右に付いている。
 左右には、船の船内に入るための大きく立
派なドアも付いていた。
 窓から中を覗くと、そこにもステアリング
ラット、ハンドルが付いていて、雨の日など
は船内でも操船できるようになっていた。

 船体の前方を見ると、前部デッキには、大
きなフェンダー入れがあり、フェンダーが左
右3個ずつ置かれていた。


 フェンダーとは、船を岸壁に着岸したとき
に、船体が岸壁にぶつかって傷つかないよう
に保護するゴム製の防護材のことだ。

 船体の最前部には、バウスピリットという
木材でできた板が、ヨットからはえた角のよ
うに伸びていた。
 バウスピリットには、床に船を海の上で停
泊させるときに打つアンカーが備わっていて
コクピットからボタン一つで、アンカーを海
の中に落とし、停泊させられるようになって
いた。

 どこかの港で停泊するときに、このアンカ
ーを先端から落として船を停泊するのだ。

第12回につづく


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