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ビールパーティーが始まる

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横浜マリーナ会員の斎藤智氏が執筆した大人のためのクルージングヨット教室を題材にしたマリン、セイリングクルーザー小説。

クルージング教室物語

第76回

 ラッコのメンバーは、朝から横浜マリーナ
に集まっていた。

 今日は、横浜マリーナ恒例のビールパーテ
ィーの日。

 しかも、開催時期が8月の終わりというこ
ともあって、今年最後のビールパーティーに

なる。

 その幹事を、ラッコのメンバーが担当する
ことになっていたのだ。

 今日も、真夏のいい天気で、ほかの会員た
ちは、自分たちのヨットに乗って、海に出て
いた。

 本当は、ラッコのメンバーたちも、自分た
ちのヨットを出したかったのだが、幹事なの
で、マリーナに残って、朝からビールパーテ


ィーの準備をしていた。

「バーベキューセットを広げよう」

 隆や雪で、バルコニーの植木などを片付け
てから、倉庫からバーベキューセットを持っ
て来て組み立てている。

 麻美や佳代、ルリ子たちは、クラブハウス
の調理場内で、ビールパーティーで食べるお
料理を作っている。

 いつも、ヨットに乗るときは、ジーンズな
のに、その日のルリ子は、ロングスカートを
着ていた。

「ルリちゃん、可愛いじゃない」

 麻美に言われて、ルリ子は嬉しそうに笑顔
になった。

 特に正装してきたわけではなく、普段着の
スカートを着てきただけなのだが、普段がジ
ーンズが多いので、スカートというだけで、


なんとなくおしゃれしてきたように見てもら
えるのだった。

「お寿司をまんなかに置こうか」

 宅配で横浜マリーナに運ばれてきた寿司の
お皿を、テーブルの中央に置いた。
 宅配で運ばれてきたといっても、横浜マリ
ーナのすぐ隣りのショッピングスクエア内に
ある寿司屋さんから届けてもらったものだ。

「おお!きれいに飾られているな」

 外でバーベキューの準備を終えた隆たちが
室内に入って来て、テーブルの上の盛りつけ
をみて叫んだ。

「なんか、もう飲みたくなちゃうね」

 隆が、椅子に腰かけて、テーブルの上のビ
ールの瓶に手を伸ばしながら言った。

「まだ、だめよ」

 麻美が、隆からビールの瓶を取り上げた。


 お昼を少し過ぎたぐらいに、ヨットで海に
出ていた人たちが次々に戻って来た。

 いつもならば、お昼はどこか出先で食べて
きてから横浜マリーナに戻って来るのは夕方
なのだが、今日はビールパーティーがあると
いうことで、早めの帰還だった。

「それでは、乾杯!」

 皆が戻って来て、それぞれのヨットの片付
けが終わると、クラブハウスに集合して、い

よいよビールパーティーが始まる。

 司会、進行役のスタッフが理事長を紹介し
て、理事長の乾杯の挨拶でビールを飲んでビ
ールパーティーは始まった。

 夕方から始まるビールパーティーならば、
飲みから始まるのだろうが、皆は午前中、ヨ
ットに乗って戻ってきているので、お腹が空
いていて、バルコニーのバーベキューが一番
人気だった。


 隆や雪は、バーベキューの前でお肉を焼く
のに、大忙しだった。

第77回につづく


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