岡島さんとの再会

日本の商社のニューヨーク支店に勤める隆が、妹のゆみとニューヨークで暮らす二人暮らしのハートフルホームコメディ。

 岡島さんの一家もその頃はまだ長男が一人
だけ生まれたばかりだった。中学生だった隆
はお兄さんらしくよく岡島さんの長男の面倒
をみていたものだった。
 その岡島さんの一家に今は長男の下にさら
に三人の妹、娘さんができていた。

「こんにちは」

 隆は空港のゲートから出てきた岡島さんの
一家に声をかけた。

「こんにちは、お世話になります」

 岡島さんの奥様が隆に気づき返事をした。

「隆くん、本当に大きくなったわね」

 岡島さんの奥様は成長した隆の姿に驚いた
ようだった。

「いえいえ、岡島さんとも午前中はずっと一
緒に仕事してたんですよ」


 隆は言った。この岡島さんとは旦那さんの
方のことだ。今回日本から飛行機でやって来
たのは奥様と息子、それに三人の娘さんだ。
 お父さんの岡島さんはほかの家族よりも先
にニューヨークに赴任してきていて、既にニ
ューヨーク支店、隆が働いている会社の営業
部で働き始めているのだった。

「こんにちは」

 隆は岡島さんのところの三人の娘たちにも
挨拶をした。

「こんにちは!」

 娘さんたち女の子三人は元気よく初対面の
隆に挨拶を返してくれた。

「こんにちは」

 隆は今度は三人の娘たちの後ろにいた長男
の息子のほうに挨拶した。隆がこの長男に会
っていた頃はまだ5歳だったはずだ。

「こんにちは」


 少し低い声で返事が返ってきた。

「お、すごい男らしい声だね」

 隆は長男に微笑んだ。

「良明はおぼえている?隆さんにはよく遊ん
でもらっていたのよ」

 岡島さんの奥様が良明に聞いた。良明は首
を横に振った。良明の下の妹たちの名前は上
から美香、由香そして理香といった。

 妹たちは小学3年、1年そして幼稚園児だ
った。一番上の妹の美香は8歳になる。

「8歳ならばうちの妹のゆみと同い年だね」

 隆は美香に言った。岡島さん一家の住む家
は隆たちの住んでいる同じマンションの11
階の部屋だった。

「そしたら、学校でゆみさんと同じクラスに
なるのかな、私?」


 美香は隆に聞いた。

「でも、うちのゆみは今5年生になるんだ」

 隆は美香に返事をした。

「8歳なのに5年生なの?」

 美香は隆に質問した。

「うん。2年から3年にあがるときに飛び級
で5年生になってしまったんだ」

「アメリカの学校は成績優秀だと飛び級で学
年が上になれるのよ」

 岡島さんの奥様が美香に説明していた。

「へぇ。じゃあ、ゆみさんって勉強ができる
んですね」

 美香が隆に言った。隆は自分の妹が褒めら
れてちょっと照れていた。

「持ちましょ」


 隆は空港のカートを持ってきて、そこに岡
島さんたちの荷物を載せた。隆は岡島さんか
ら荷物を受け取りカートに載せながら、

「そうか。ゆみが5年生ってことは良明君と
同じ学年になるのかもしれないね」

隆は側で荷物を積むのを手伝ってくれていた
良明に言った。

「いいな。あたしと同じクラスだったら良か
ったのにな」

美香が言った。

「どうして?」
「だって新しい学校に入る前にお友達ができ
ていれば初めての学校にも通いやすいもの」
「なるほど。それはそうだ」

隆と岡島さんの奥様は美香に微笑んだ。

「新しい家」につづく